(一社)全国清掃事業連合会(全清連、三井崇裕会長)は4月25日、東京・一ツ橋の如水会館で第9回定時社員総会を開催した。29年度事業報告や30年度事業計画等を審議し、それぞれ原案どおり承認した。事業計画では、平成30年度で全清連設立20周年を迎えることを受け、これまでの活動、環境省6.19課長通知や10.8部長通知、3.21二課長通知等の成果を振り返り、改めて「適正処理の推進」を軸に廃棄物・リサイクル対策活動、10.8部長通知等の周知活動、災害廃棄物処理支援活動、組織充実強化などに取り組む方針を固めた。
総会の冒頭で三井会長は「本日は第9回目の定時社員総会だが、皆さまご存じのとおり全清連の結成は平成10年。皆さまと共に歩んできたこの組織も平成30年度で20周年目を迎える」と述べ、全清連の設立経緯を振り返った。
主要な出来事を説明する中で「設立から10年、平成20年の6月19日に環境省から6.19通知を発出していただいた。我々にとっては一大転換となる出来事であったと思う。またその後の平成26年1月28日には、廃掃法に関する最高裁判例が下った。それを受け同年10月8日には、10.8部長通知が発出された。これは私ども固形一般廃棄物業界の地位を明確に示していただいたもので、皆さまとしっかり共有しておかなければならない」「全国の市町村では、いまだ新規許可の乱発、委託業務の入札化を行う市町村がある。今は非常に乱暴な時代で、規制改革の波が常に押し寄せてきている。また地方公共団体の規制権限の及ばない第三者問題など、問題は多くあるが、やはり我々の役割は地域環境の保全と適正処理の推進。この遂行のために20年間活動してきた。現場では次から次へ問題が生じ、意見を集約して環境省、地域廃棄物適正処理推進議員連盟へご相談申し上げてきた。大きな仕事はやり遂げたと思うが、まだ油断はできない。私たちの与えられた役割を全うするため、これからも組織を固め、適正処理の推進のために尽力してまいりたい」と、引き続き会員組織の協力を求めた。
総会後は懇親会が開かれ、地域廃棄物適正処理推進議員連盟から多数の国会議員、また関係省からも多くの幹部が来賓出席し、祝辞を述べた。
このうち議連会長を務める石破茂衆議院議員は「全清連20年を迎える歴史の中で、廃棄物処理制度の正常な運用に取り組まれてきた。これは最高裁でもはっきり示されている。法の形骸化を招きかねない仲介業者の存在、あるいは全国1718もある市町村、それぞれによって対応が異なることもあろうかと思う。もし法の趣旨を取り違え、あるいは規制緩和、経済合理性最優先のようなことがあれば私どもにご相談いただきたい。今後は全国で人口が減少するが、社会の安全・安心を支えるのがサービス業で、皆さまのお仕事も同様。適正な仕事に正当な対価が払われないということになれば、これから先、人口減少期にこの国を維持することはできない。地域社会を守っていることに心から感謝申し上げたい」と祝辞を述べた。