総務省はこのほど、令和2年度末時点における公営企業の経営改革の取り組み状況を取りまとめた。近年の人口減少、施設の老朽化、経営状況の悪化等の背景から事業廃止を選択する自治体も多く、同年度において都道府県・政令市で5件、市区町村で106件、合計111件の廃止方針が固まった。下水道事業はこのうち30件で、集落排水事業が25件と最多を占めた。
集合処理事業の「事業廃止」は、事業断念や個別処理への切り替えなども含むが、一度供用開始してしまったエリアに関しては通常、他事業への接続を意味する。個別の廃止理由までは明らかにされていないため分類することはできないが、令和元年度は事業廃止が25件(うち集落排水事業22件)、平成30年度は事業廃止が15件(同10件)となっており、少なくとも集落排水事業の廃止・再編が加速化していることが分かる。
令和2年度の内訳は、農業集落排水事業が23件、漁業集落排水事業が2件、公共下水道事業が2件、個別排水処理事業および特定地域生活排水処理施設が各1件だった。公共下水道事業の実施主体は秋田市と山口県宇部・阿知須公共下水道組合、浄化槽事業は2件とも岩手県洋野町。(続きは本紙で)