2022年度までに浄化槽のCO2排出量12万t削減

環境省は4月20日、東京・大手町の大手町サンスカイルームで中央環境審議会第26回循環型社会部会を開き、次期廃棄物処理施設整備計画の方向性を固めた。2022年度までに浄化槽は温室効果ガス排出削減量を12万t(2017年度見込み・5万t)、一般廃棄物はリサイクル率を27%(同21%)に引き上げるなど、ともにハードルの高い目標を打ち出している。浄化槽では省エネ型浄化槽の導入が家庭用で年5万基、中・大型浄化槽で年2200基進めば達成できる計算だ。

廃棄物処理施設整備計画は廃棄物処理施設整備事業の今後5カ年間の目標を定めたもので、現行の計画が平成29年度(2017年度)までとなっていることから、現在は中環審循環型社会部会で2018〜2022年度までの計画の策定が進められている。  旧計画(目標期間2013〜2017年度末)の内容はごみのリサイクル率を22%から26%、期間中に整備されたごみ焼却施設の発電効率の平均値を16%から21%、浄化槽処理人口普及率を9%から12%へ引き上げる3本柱だったが、新たな計画では「3R・適正処理の推進」「気候変動・災害に対して強靱かつ安全な一般廃棄物処理システムの確保」「地域の自主性および創意工夫を生かした一般廃棄物処理施設の整備」を基本方針に、次の7項目へ見直しを図った。

①ごみのリサイクル率を27%(2017年度見込み・21%)②一般廃棄物最終処分場の残余年数を維持③期間中に整備されたごみ焼却施設の発電効率を平均21%(同19%)④廃棄物エネルギーを外部供給している施設の割合を46%(同40%)⑤浄化槽整備区域内の浄化槽人口普及率を70%(同53%)⑥合併処理浄化槽の基数割合を76%(同62%)⑦省エネ浄化槽の導入による温室効果ガス削減量を12万t(同5万t)ーーいずれも目標期間は2022年度までの5年間。

このうち「ごみのリサイクル率」は長く21%前後で横ばいの状況が続いており、旧計画でも数値に全く伸びが見られなかったが、先進事例の横展開、民間事業者等による地域全体におけるリサイクルの推進を図ることで達成可能と見ている。

また浄化槽は旧来の浄化槽処理人口普及率による評価を取りやめ、3項目に細分化したが、温室効果ガス排出削減は先進的省エネ型浄化槽を普及させることで達成を図る。具体的には、2022年度までに一定の基準をクリアする省エネ型浄化槽を家庭用で42万基(2017年度普及見込みから15万基増)、中・大型で1万8000基(同1万1000基増)普及させる。

中・大型浄化槽の省エネ化は「省エネ型中・大型浄化槽システム導入推進事業(環境省)」により取り組みが始まったところだが、家庭用浄化槽の目標達成には現行の枠組みだけでは不十分と見る向きもあり、さらなる施策展開、技術開発が求められそうだ。