(一社)浄化槽システム協会(JSA、福原伸一会長)は5月23日、東京・浜松町の東京会館で平成30年度通常総会を開催した。平成29年度決算報告等を審議し、それぞれ原案どおり承認した。このうち理事の選任では大亀裕理事(ダイキアクシス代表取締役)が退任し、新たに中山繁樹理事(同社常務取締役)が就いた。
また総会後は講演会を開き、平成31年10月に導入される「消費税の軽減税率制度」について研修した。同制度は一部の飲食料品や新聞に係る消費税が8%のまま据え置かれる負担軽減措置で、国税庁から講師を招き、軽減税率の対象品目、帳簿や請求書の記載、税率計算の3点のポイントについて解説した。
午後5時半からは懇親会が開かれ、国土交通省や環境省、関係団体から多数の来賓が出席した。
冒頭で福原会長は「浄化槽の市場環境は厳しさを増す一方で、我々が期待する単独処理浄化槽の合併転換も思うように進んでいない。しかし環境省をはじめ、関係者の尽力により、平成30年度から中・大型浄化槽の省エネ化事業が拡充された。新たな需要の掘り起こしのチャンスと考えている。また海外においても日本の浄化槽のネームバリューが広まり、右肩上がりというわけではないが、活躍のチャンスが芽生えてきたかと思う」と市場拡大への期待を述べた。
一方で浄化槽設備士による実地監督や、施工時における基準順守を求めた国交省、環境省連名通知「浄化槽設置工事に関する指導の強化(平成30年3月23日)」に触れ、「浄化槽全体のイメージを悪くしてしまうこととして、メーカーとしても厳粛に受け止めている。我々も補助金の拡大を要望しているが、本来は技術開発でより優れた浄化槽を生み出し、重要な公共インフラとして皆さまに自ら選んでいただくことが大切。子どもの代になっても浄化槽が“良いものだ”と言っていただけるよう努力してまいりたい」と協力を求めた。