環境省はこのほど、平成27年度の食品廃棄物等の発生量は約2842万tで、このうち本来食べられるにもかかわらず廃棄された食品ロス量は約646万t(対前年度比約25万t増)だったと公表した。食品ロス量は平成24年度から2年連続減少してきたが、ここに来て一転増加、国連の持続可能な開発目標(SDGs、2015年)で掲げる「2030年までに世界全体の一人当たりの食料廃棄を半減」から遠のく結果となった。
食品廃棄物等の発生フローを見ると、最上流の27年度食用仕向量(粗食料、加工用)は8291万tで26年度より約3万t減少した。これらの食品資源の利用後、食品関連事業者から排出された事業系廃棄物および有価物の合計は約2010万t(同57万t増)で、この中に含まれる食品ロス量(規格外品、返品、売れ残り、食べ残し)は約357万t(同18万t増)だった。
また一般家庭から排出される家庭系廃棄物は約832万t(同10万t増)で、この中に含まれる食品ロス量(食べ残し、過剰除去、直接廃棄)は、調査を実施している全国109自治体の結果から全国に割り戻し推計したところ、約289万t(同7万t増)となった。
食品ロス量が昨年度より増加した結果について、環境省、農林水産省では景気の向上による事業系廃棄物の増加、食品ロス量の調査を行っているサンプル(自治体)数の増加による精度向上、もしくは推計による誤差変動と分析している。