島根県浜田市議会で9月2日、浄化槽の放流同意問題に関する一般質問があった。質問者は芦谷英夫議員で、同市では生活排水処理の手法として公共下水道と浄化槽を位置づけているにも関わらず、市道側溝へ浄化槽処理水の放流ができない実態があることを指摘。生活排水処理基本計画の見直し、浄化槽の正しい知識の啓発等が必要と訴えた。
放流同意問題は、浄化槽処理水の放流に当たって水利権者や農業関係者の同意を必要とさせるもので、その際に浄化槽設置者に金銭的負担を強いるケースがあることが問題となっている。
昭和63年10月27日付厚生省通知では、放流同意を一律に求めることは「違法の疑いが強い」などとしており、単独処理浄化槽であればいざ知らず、生活排水を処理し、処理能力も高い合併処理浄化槽について不合理な放流同意が存在する場合には、正しい知識の啓発等により解消するよう求めている。
浜田市の答弁も同通知を踏まえて行われ、「市として側溝や農業用水源への放流を規制している地域はない。放流先に関する規制もない」とするも、芦谷議員は「市道側溝の流末が民間の排水路を通っており、制度上は側溝に放流できるが、結果として放流同意が合併処理浄化槽の普及の足かせになっている」と指摘した。(続きは本紙で)