環境省は8月5日、中央環境審議会循環型社会部会の第38回会合を開き、「廃棄物・資源循環分野における温室効果ガス排出実質ゼロに向けた中長期シナリオ案」を取りまとめた。2050年カーボンニュートラルに向けて、現行の排出削減努力を継続した場合から、実用化されていない技術までを取り込んだ場合までの合計7シナリオを示し、各シナリオで必要とされるプラごみの削減、バイオマスプラの導入、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、循環型ケミカルリサイクルの導入推進など、主に廃プラスチックおよび廃油に係る重点対策を示した。
廃棄物・資源循環分野におけるカーボンニュートラルは、廃棄物由来の温室効果ガス排出量をゼロにするのではなく、収集運搬、中間処理を含めた温室効果ガス排出量を最低限に抑え、抑えた排出量をCCS、CCUS(※)により差し引きゼロにすることが基本的な考え方となっている。
具体的な7シナリオは、▽BAUシナリオ=2019年度施策のまま推移▽計画シナリオ=次期地球温暖化対策計画やプラ資源循環戦略、業界団体等の計画盛り込み▽拡大計画シナリオ=計画シナリオに加えて廃棄物処理施設や収集運搬車両等のCO2対策を実施▽イノベーション実現シナリオ=削減技術のイノベーションによる深掘り▽イノベーション発展シナリオ=同実現シナリオをベースに十分に担保されていない技術水準を盛り込んだ深掘り▽実質排出ゼロシナリオ=イノベーション発展シナリオをベースにCCUSを導入▽最大対策シナリオ=廃棄物処理施設におけるCCUSを最大限導入――となっている。(続きは本紙で)