総務省の地方公営企業年鑑によると、令和2年度決算で赤字を計上した公共下水道事業は、公営企業法の法適用事業で906事業中93事業、法非適用事業で283事業中5事業あったことが分かった。赤字額が大きいのは合志市(熊本県)の8億1429万円、気仙沼市(宮城県)の3億5281万円、青森市の3億3746万円などとなっている。
公共下水道事業は広域化や共同化、施設の統廃合、公営企業会計の適用などの取り組みによって徐々に経営改善、経営の見える化が進んでいるものの、いまだ抜本的な解決には至っていない。原則は「雨水公費、汚水私費」による独立採算だが、一部の大都市以外では使用料収入だけで汚水処理費を賄うことができず、一般会計から多額の補填(他会計繰入)を行うことによって運営している事業も多い。(続きは本紙で)