環境省がこのほど行った調査によると、地方公共団体が所有する浄化槽は令和2年度末時点において26万6583基で、このうち4万124基が単独処理浄化槽だった。単独処理浄化槽の合併転換を指導する立場にある地方公共団体において単独槽が残存している状況は問題があると考えられ、環境省の市町村向け事業「公的施設・防災拠点単独処理浄化槽集中転換事業」などを活用して早期に合併転換することが求められている。
地方公共団体が所有する単独処理浄化槽を都道府県別に見ると、最も多いのは鹿児島県で3110基、次いで徳島県が3105基、愛知県が2338基、静岡県が1788基、愛媛県が1762基、群馬県が1714基などとなっている。おおむね浄化槽設置基数の多さ、あるいは浄化槽普及率の高さと比例している。
また各都道府県内に残存する単独処理浄化槽の設置基数に占める割合で見ると、北海道が6.7%と最も高く、次いで長崎県が4.3%、岩手県が3.4%、鹿児島県が3.1%、徳島県が2.5%、東京都、奈良県が2.3%などと高い。これは北海道であれば、単独処理浄化槽が100基あれば6~7基が地方公共団体が所有するものということを意味している。公共と民間の浄化槽台帳の精度を考えれば、実際はさらに高い割合ということも考えられ、こうした比率の高い都道府県では早急な対策が求められている。(続きは本紙で)