経済産業省は「成長志向型の資源自律経済デザイン研究会」を立ち上げ、10月5日に省内で初会合を開催した。近年の資源エネルギーの制約や気候変動問題、廃棄物問題等を背景に、資源循環経済政策を再構築することが目的で、①資源の再利用・再資源化②資源の生成③資源の共有④資源の長期利用の4項目について政策の具体化を図る。また同省では検討・実行のために「資源自律経済戦略企画室」を設置した。
資源をめぐる日本が置かれた課題は、世界的な資源の需要拡大と自給率の低さ、供給元の一国集中、国際規制強化による廃棄物処理の困難性増大、カーボンニュートラルへの対応などで、経産省では2050年までに金、銀、銅、鉛、錫などの素材の調達困難、地政学的リスクによる供給途絶などのリスクが高まることを想定している。すでに「新しい資本主義のグランドデザインおよび実行計画(令和4年6月7日)」では、「資源自律」「循環経済(CE)移行」が位置づけられており、資源自律経済への対応が遅れると物価高騰による国富流出、CE性が担保されない製品の市場排除、成長産業と化す静脈産業の機会損失・海外依存などが考えられると警鐘を鳴らしている。(続きは本紙で)