環境省は4月21日、中央環境審議会第5回炭素中立型経済社会変革小委員会をWEB会議にて開催し、取りまとめに向けた論点の中間整理を行った。この中で炭素排出に負担を課すカーボンプライシングは引き続き検討する方針を示し、廃棄物分野では資源循環ビジネスが地域や社会全体の脱炭素に大きく寄与すると評価。プラスチック・廃油、バイオマス、ベース・レアメタル等の循環経済市場規模を2030年までに80兆円以上にするとの目標を示した。
同委員会は、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、今後進むべき社会変革の方向性について検討するもの。グリーンエネルギー戦略に関する有識者懇談会(1月18日)における岸田首相の発言により設置され、経済産業省においても並行して産業のグリーントランスフォーメーション(GX)に必要な方策の検討が進められている。
環境省委員会で注目されるのは温室効果ガスの排出に負担を課し、低炭素化や脱炭素化の取り組みを後押しすることが考えられるカーボンプライシングと、資源循環、地域循環共生圏の取り組みで、カーボンプライシングについては経済産業省と連携しつつ制度検討を進めることとした。ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格高騰を受け、追加的なコスト負担には慎重であるべきとの声も出ているが、エネルギーの自給や、化石燃料からの脱却、脱炭素投資の財源確保も必要とされているところで、引き続き炭素税、排出量取引について具体的な制度設計を進める。(続きは本紙で)