環境省がこのほど選定した第1回脱炭素先行地域で、秋田県の「流域下水道を核に資源と資産活用で実現する秋田の再エネ地域マイクログリッド」事業が選定された。同事業は下水道処理施設が持つ土地と汚泥を資源として捉え、そこに再エネを組み合わせることで急速に経営環境が悪化する下水道事業の経営改善と、下水道使用料に係る住民負担軽減、地域の脱炭素化を目指すユニークな内容となっている。
計画書によると、県の流域下水道処理施設「秋田臨海処理センター」に消化ガス発電、風力発電、太陽光発電、さらに秋田市のし尿処理施設「汚泥再生処理センター」の敷地にも太陽光発電を導入することで、地域内にある公設試験研究施設や職業訓練施設、運動施設など公共8施設にエネルギーを供給する。総発電量は8.6MWで、気象条件等により電力不足が発生した際には近隣の風力発電など卒FIT電源を調達する。また秋田臨海処理センターにおけるデマンドレスポンス運転(電力の需給調整)、余剰電力を用いた水素等の製造も行う方針。(続きは本紙で)