JARUSが平成30年度業務実施方針等説明会開く

(一社)地域環境資源センター(JARUS、 田中忠次理事長)は4月19日、東京・内幸町の田中田村町ビルで平成30年度業務実施方針等説明会を開催した。農業集落排水、バイオマス、農村環境に関する同センターの業務について説明し、農林水産省からは幹部を招き、最新の行政動向について講演を行った。

業務実施方針の説明のうち、農業集落排水施設の技術開発に関しては①低コスト型汚水処理システムの開発②小規模メタン発酵システムの開発③民間技術の積極的開発の3項目、調査研究では①施設長寿命化に関する研究②省エネ型集落排水施設の実証調査③施設統合等に関する検討④集排汚泥の利活用に向けた調査⑤集排処理水の利用拡大に向けた調査⑥技術の体系化・標準化の6項目についてそれぞれ報告した。

このうち低コスト型汚水処理システムの開発は、平成初期に導入された嫌気性ろ床槽を含む施設の更新整備に焦点を当てたもので、平成29年度から取り組んでいる。平成30年度は、埼玉県吉見町の北部中央処理施設で今年2月に設置した実証装置を1年にわたり稼働させる方針。その上で建築基準法に基づく構造方法等の大臣認定取得に向け、処理の確実性を高める詳細なシステム全体検討、検討結果に基づいた実証装置による(一財)日本建築センターの浄化槽性能評価試験を受験する。

小規模メタン発酵システムの開発は、集落排水施設の維持管理費の約8割を占める汚泥処理費と電気料金の軽減、汚泥の有効活用に向けたもので、JARUSでは汚泥のメタン発酵と液肥の製造による課題解決を目指している。平成29年度はモデル地区の選定を行い、徳島県佐那河内村に決定。30年度は実証施設の設計を行う。

農集排施設の統合に関する検討は、全国で進む老朽化した施設の更新や改築を契機に行う施設統廃合と、その際の改築更新費や維持管理費の低減について検討するもの。平成29年度は施設再編のニーズの高まりを受け、施設再編の事例調査を実施、30年度は今後さらに「地区統合」による運営管理の効率化が求められていることから、再編に関する課題の把握へ全国アンケートの実施を予定する。