温室効果ガス排出増で災害激甚化の恐れ

 環境省は5月12日、地球温暖化による気温上昇を1.5度、または2度以内に抑えるには、世界の温室効果ガス排出量(GHG)を2025年以前にピークアウトさせる必要があることを明らかにした。日本における温室効果ガス排出量は2019年度末から2021年度にかけて9010万t減少したが、これは新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けた一時的なもので、脱炭素に向けた取り組みを一層強化する必要性があることが分かった。
 これらはIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の作業報告書により明らかになったもので、IPCCでは昨年8月、人間の活動が温暖化の原因となっていることを初めて断定。今年2月には、この温暖化により生じる災害等の悪影響が、自然の気候変動の範囲を超えた損失と損害を引き起こしていると報告。さらに同4月には、温暖化を1.5度、または2度に抑える場合、世界の温室効果ガス排出量は2020年から2025年にピークを迎えると公表した。これは2025年までに排出量がピークアウトしなければ、温暖化を1.5度、あるいは2度に抑えることができないということを意味する。(続きは本紙で)