(一社)浄化槽システム協会(JSA)は5月10日、東京・港区のAP浜松町で、環境省・令和4年度浄化槽システムの脱炭素化推進事業に係る説明会を開催した。同事業は令和3年度まで実施されてきた「省エネ型浄化槽システム導入推進事業」のリニューアル事業で、30人槽以上の中・大型浄化槽の省エネ機器改修事業、本体交換事業、再生可能エネルギー設備の導入事業に1/2補助を行うもの。当日はWEB会議システムによるリモート参加を合わせて100名以上の会員が出席した。
説明会では初めに、環境省浄化槽推進室の志太健一室長補佐が事業の概要を説明した。
事業の背景として、家庭用浄化槽では9割に達する先進的省エネ浄化槽の普及状況が、中・大型浄化槽では2割にとどまり加速化する必要があることや、地球温暖化対策計画において先進的省エネ浄化槽の普及が位置づけられ、2030年度までに温室効果ガスを12.3万t(2013年度比、CO2換算)削減するなど、国として先進的省エネ浄化槽の普及を推し進める必要があることを説明。
そのため令和3年度までの時限措置として実施されていた「省エネ型浄化槽システム導入推進事業」を継続し、内容についても従来は機器改修で51人槽以上、本体交換で60人槽以上としていた人槽要件をともに30人槽以上と緩和し、機器改修または本体交換と併せて実施する再生可能エネルギー設備の導入も補助対象とするなど、大幅なリニューアルを実施した。
一方でさらなる脱炭素化を推進するためCO2排出削減要件を明確化し、機器改修では20%以上、本体交換では国の脱炭素目標にも沿う46%以上という数値を設定した。一見すると厳しい要件だが、志太室長補佐は令和3年度実績を示しつつ、機器改修ではタイマー等による間欠運転、本体交換では実情に沿ったダウンサイジングを行うことで十分達成可能との見方を示した。(続きは本紙で)