浄化槽設置基数は752万基、単独残364万基に

 環境省は3月4日、令和2年度における浄化槽設置基数は751万7947基(対前年度比5万5339基減)と発表した。内訳は単独処理浄化槽が363万9887基(同11万1241基減)、合併処理浄化槽が387万8060基(同5万5902基増)。また浄化槽法に基づく法定検査の受検率は、使用開始後3~5カ月以内に行う7条検査が96.8%(同2.4ポイント増)とおおむね横ばい、年1回行う11条検査が45.7%(同1.9ポイント増)で、合併処理浄化槽のみに限ると63.9%(同1.7ポイント増)だった。

 浄化槽設置基数は、平成12年に生活排水が処理できない単独処理浄化槽(単独槽)の新設が禁止されてから、合併処理浄化槽(合併槽)の設置基数のみ伸びている。そのため設置基数に占める合併槽の割合は徐々に増加し、令和元年度は初めて合併槽の設置基数が単独槽を上回った。令和2年度時点において、設置基数に占める合併槽の割合は51.6%となっている。
 ただし住宅の除却等に伴う単独槽の減少数が、合併槽の新設数を上回っているため、浄化槽設置基数としては右肩下がりの状況が続く。浄化槽市場という観点で見ると、合併槽の比率増加による維持管理の拡大により、今後も一定期間は横ばいで推移すると予測(2020年4288億円から2030年4190億円、エム・アール・アイリサーチアソシエイツ)されているが、設置基数が減少すれば長期的に先細りになることは避けられず、単独槽の合併転換等を通じた整備促進、汚泥の利活用等をはじめとした事業性の向上は喫緊の課題と考えられる。(続きは本紙で)