日本総研、’21年度上期の住宅着工戸数5.7万戸減と試算

 米国における住宅市場の好転に伴い発生した「ウッドショック」の波紋が住宅市場において広がりつつある。(株)日本総合研究所では6月7日、ウッドショックによる木材価格の高騰、需給のひっ迫から2021年度上期の住宅着工が約5.7万戸(対前年度比13.7%減)下振れする可能性があるとの試算を示した。影響が長期化した場合、浄化槽出荷基数にも影響を及ぼす懸念がある。

 ウッドショックは、新型コロナウィルス感染症の影響により米国でもテレワークが浸透し、金融緩和政策による低金利住宅ローンと、郊外における持ち家需要の増加が重なったことにより発生した。コロナ禍によりいったんは落ち込んだものの、もともと増加傾向にあった米国の住宅着工戸数は2020年6月から急回復し、2020年12月には半年前の約1.8倍に相当する166万戸(年率換算)を突破した。
 しかし木材産業での労働力不足等の問題から、供給側が増加する木材需要を受け止めきれず、結果として製材価格の高騰を招くことになった。製材価格は住宅着工戸数の増加とともに上昇、2020年12月には近年最高額の1290米ドル/mbf(1mbf=2.36m3)と、コロナ禍前(2020年2月)の約3倍に達した。
 価格に関しては中国での需要増加が影響しているということもあるが、輸送面でも2020年末から米国での輸入急増と、コロナ禍に伴う港湾処理能力の低下等で、北米に海上コンテナが滞留し、アジア地域でのコンテナ不足を招いている。スエズ運河におけるコンテナ船座礁などの混乱も重なり、コンテナ価格が欧州発で3030ドル/個(2021年4月、2020年11月比63.8%増)、米国発で2430ドル/個(同65.3%増)と値上がりした。こうした木材価格と輸送価格の両面が、約6割を輸入材に頼る日本の住宅市場を直撃している。(続きは本紙で)