全浄連が第6回総会開く、新会長に上田勝朗氏

(一社)全国浄化槽団体連合会の第6回定時総会が6月29日、東京・九段下のホテルグランドパレスで開かれた。新会長に上田勝朗氏(富山県)を選出し、30年度事業計画には宅内配管工事費など、単独処理浄化槽の合併転換促進に向けた財政支援の拡充、浄化槽の台帳システム整備推進等を図る方針を盛り込んだ。

総会は午後1時に開会し、加藤敬規会長の挨拶のあと平成29年度事業報告、30年度全浄連活動スローガンおよび第6回総会決議案の採択、役員の選任、30年度事業計画など、全4議案、報告2事項を承認した。

このうち総会決議は、「単独槽の早期合併転換に向けた法改正による転換義務化、宅内配管工事費等の経費を公費負担とする制度の創設、助成制度の抜本的見直し」「都道府県構想等の見直し加速による浄化槽整備区域の拡大、汚水処理施設整備の10年概成目標を達成するための行財政措置拡充」「公的施設(避難所)への浄化槽設置と活用」など5項目を盛り込んだ。

役員の選任は理事28名、監事3名を選出し、その後の理事会で新会長に上田勝朗氏を選任した。また副会長は髙橋静雄氏(専務理事兼務、東京都)、丹羽道正氏(北海道)、谷川眞則氏(青森県)、関谷俊征氏(愛知県)、木谷恭三氏(和歌山県)、八田富夫氏(岡山)、山条忠文氏(香川県)、森口孝行氏(大分県)の8名が就いた。

総会後は功労者表彰、記念講演、懇親会が開かれ、記念講演会の冒頭で上田新会長は「佐藤会長が急逝された後、加藤会長が引き継ぎ、本日私が会長を務めることになった。今日ここに立つと、本当に私で務まるだろうかとの思いがあるが、新たな体制の中で環境にも財政にもやさしい浄化槽の普及のため、単独処理浄化槽の合併転換促進、浄化槽整備区域の拡大、防災拠点への浄化槽設置と活用、宅内配管工事費や維持管理費に対する公的助成金の拡充についても、実現できるよう大きく踏み出してまいりたい」「浄化槽と下水道の役割分担の中で、浄化槽の役割について認識を新たにされる自治体も多く、富山県でも市町村長に直接浄化槽についてご説明申し上げるということを4年間続けた結果、例えば小矢部市では浄化槽を取り入れたことで108億円のコスト削減につながったとPRしている。また新たに市町村設置型事業を始めた、“浄化槽推進課”を創設した市もある。直接説明することの効果はトップセミナー以上にあると感じる」「全国の事例を収集しながら皆さまのお役に立つ全浄連でありたい。関係省の皆さまと連携しながら浄化槽を広め、ユーザーからも信頼が得られるようPRを進めたい。やりたいことはたくさんあるが、皆さまと一緒にやらなければならない。共通の課題認識のもと、浄化槽の普及を進めていけたら」と所信表明した。