国土交通省はこのほど、平成29年8月に策定した新下水道ビジョン加速戦略の令和4年度見直しを行った。令和3年の流域治水関連法の施行や、同4年の地球温暖化対策推進法の改正などを踏まえたもので、見直しは令和4年6月に続き2回目となる。今回は下水汚泥資源の肥料利用拡大や、生ごみや浄化槽汚泥を含む地域バイオマスの利活用、合流式下水道緊急改善事業の期限到来などの具体的課題を見据え「脱炭素化の推進」「水環境管理」を新たに追加した。
このうち「脱炭素化の推進」に関しては、新たな戦略では2050年カーボンニュートラルに向けた対応が迫られていることと、下水道分野で毎年約600万tの温室効果ガスが排出されている点を問題とし、「脱炭素化の推進と持続可能な循環型社会への貢献」に取り組むこととした。
主に環境省と連携し、地域バイオマスの活用環境の整備、広域・効率的な汚泥利用、廃棄物処理施設との連携などを図る。ここで示す地域バイオマスとは「生ごみ」「し尿」「浄化槽汚泥」「農集排汚泥」「家畜排せつ物」「剪定枝」「農作物非食用部」などで一般廃棄物も含まれる。(続きは本紙で)