総務省は2月14日、「木質バイオマス発電をめぐる木材の需給状況に関する実態調査」に関する改善措置の実施状況を公表した。太陽光発電に次ぐ規模になっている木質バイオマス発電事業において、原料の取り合いによる事業中断や既存業者への悪影響、温室効果ガスの排出抑制という観点で非効率な事業となることを防ぐため、令和3年7月30日に経済産業省、農林水産省に通知した意見書の結果を取りまとめたもので、同省はいずれも取り組みが進められていると一定の評価を下した。
調査は、木質バイオマスの発電利用が地域の安定的な木材需要先として機能する一方、既存の木材利用における安定調達に影響が生じているとの問題意識のもと、令和2年9月~同3年7月にかけて発電事業者や森林組合等を対象に実施された。結果として、調査対象発電事業者の過半数で当初計画以上の実績が確認され、森林組合においても平均木材生産販売量が8年間で約2倍に増加するも、木材の調達不調により発電設備の稼働休止に至った事例や調達距離が拡大した事例が確認された。(続きは本紙で)