政府は6月7日、「経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太の方針)」を公表した。新しい資本主義に向けた賃上げ・最低賃金といった“人への投資”等のほか、脱炭素に向けたグリーントランスフォーメーション(GX)では「成長志向型カーボンプライシング構想」の具体化・実現を盛り込んだ。温室効果ガスの排出に規制を課す一方、新たな「GX経済移行債(仮称)」によって150兆円超の官民投資を引き起こすもので、車両のEV化、再生可能エネルギーの導入、CCUS(二酸化炭素固定化技術)、プラスチック資源循環など廃棄物分野も巻き込んだ動きとなることが予想される。
成長志向型カーボンプライシングは、温暖化と経済成長を結びつけたクリーンエネルギー戦略において2050年カーボンニュートラル、GXを実現するためのコンセプトとして位置づけられている。
GXの骨格は、予算措置、規制・制度的措置、金融パッケージを、GX企業と産官学が協働するGXリーグ(提唱・経済産業省)の段階的発展およびグローバル戦略につなげていくことで、実現に必要な投資額を主力電源の脱炭素化、製造工程の脱炭素化、インフラ整備、研究開発等で約150兆円(10年間)と試算。この財源の裏付けのため、炭素税や排出量取引等が想定される「成長指向型カーボンプライシング」を具体化し、政府の「GX経済移行債(仮称)」によって民間投資も引き起こしていく流れとなっている。(続きは本紙で)