静岡県浄化槽協会が浄化槽衛生指導員研修会

(一社)静岡県浄化槽協会(大石憲義理事長)はこのほど、県内3カ所で平成30年度衛生指導員研修会を開催した。衛生指導員は、浄化槽の適正な維持管理を確保するため協会が設けた資格制度のことで、行政とともに浄化槽の巡回指導などを行い、浄化槽の維持管理や正しい知識の普及啓発を行う。制度そのものは昭和48年度の協会発足当時から存在したが、近年は協会が主体的に活動することで行政の関心が高まり、法定検査受検率の向上に結びついているという。衛生指導員の任期は2年で、平成28年度は148名が研修会を受講、各地域で活動した。

平成30年度の研修会は賀茂地区、東部地区、中部地区、西部地区の4カ所で開催することとなっており、7月24日までに賀茂地区を除く3会場で開催され、130名が受講した。

内容は各地区とも概ね共通で、7月24日の中部地区研修会では、初めに大石理事長が衛生指導員制度について「衛生指導員は任務が定められており、行政とともに浄化槽の巡回指導を行う、浄化槽新規講習会の講師を務める、相談所等で浄化槽の相談を受け付ける、管理者に対して浄化槽の正しい使い方や維持管理の必要性を啓発するーーこうした役割がある。そのために必要な知識・技術を身につけていただくよう本日の研修会を開催しており、行政からは浄化槽を取り巻く課題、施工や維持管理の課題、法定検査は不適正事案の実例、日本環境整備教育センターからは生活排水処理を取り巻く状況について、浄化槽と下水道、財政、人口減少等、近年の社会情勢を踏まえて問題提起していただける。今日の研修会が皆様にとって実り多いものとなれば」と説明、期待を述べた。

次いで来賓挨拶のあと講演が行われ、静岡県くらし・環境部環境局生活環境課が「浄化槽の適性管理に係る取り組み」、同交通基盤部都市局生活排水課から「浄化槽設置整備に係る補助金と工事」、(一財)静岡県生活科学検査センターの西島春彦施設検査部長が「検査の判定と指摘事例」、(公財)日本環境整備教育センターの国安克彦理事が「静岡県における生活排水処理の現状と今後」についてそれぞれ解説。終わりに大石理事長から「浄化槽衛生指導員委嘱状・指導員証」が出席者に授与された。