環境省は4月21日、廃棄物処理法に基づく次期基本方針の変更案を示した。ポイントは①脱炭素化の推進②廃棄物処理施設の広域化・集約化③デジタル技術の活用等による動静脈連携の3点で、政府が検討・推進する新しい資本主義や、「GX実現に向けた基本方針(令和5年2月10日)」、経済産業省の「成長志向型の資源自律経済戦略(令和5年3月31日)」などを踏まえると、廃棄物分野における脱炭素、ローカルSDGsの取り組みはもはや必須であり、対応できない場合は業界再編や淘汰も現実的な問題として立ち上がってきそうだ。
基本方針の変更案によると、今回の見直しの背景は「前回の変更以降、2050年カーボンニュートラルに向けた脱炭素化の推進、地域循環共生圏の構築推進、ライフサイクル全体での徹底した資源循環の促進など、廃棄物処理を取り巻く情勢が変化」したことを挙げている。
言い換えれば2050年カーボンニュートラルのためには廃棄物分野でも脱炭素の取り組みが必要であり、そのために徹底した資源循環と、環境省が以前より提唱する自立・分散型の社会構築、すなわち地域循環共生圏を構築するとの方針を強く示したものと言える。そのため内容についても新たな切り口や、これまでの方針を補強する文言が追記された。(続きは本紙で)