環境省は12月13日、WEB会議システムにより令和3年度災害廃棄物対策推進検討会を開催した。近年の自然災害における災害廃棄物対策や環境省の取り組み、過年度の検討成果などを取りまとめたほか、令和3年度は技術・システム検討WGと地域間協調WGのワーキンググループで、南海トラフ地震で見込まれる災害廃棄物の発生量見直し、災害廃棄物処理計画の実効性向上に向けた処理計画検証、ヒアリング等を行う方針とした。
南海トラフ地震を巡っては、平成29年度から被害想定、災害廃棄物発生量の算定などが行われており、万が一発生した場合は東日本大震災を超える3.2億t(=最大、東日本大震災比16倍)の災害廃棄物と、0.3億tの津波堆積物が生じると推計されている。
環境省ではすでに地域ブロックごとの処理シミュレーションを実施し、令和2年度は広域処理等が必要なブロックと、その処理量を把握。中部ブロックで1698万t、四国ブロックで2771万tの広域処理が必要と算定し、船舶にて輸送を行う対応案を立てている。ただし船舶のみでは港湾能力の兼ね合いから輸送力が不足する可能性もあり、令和3年度の検討課題としては海上・陸上の両面から広域処理実施に向けた輸送能力の検討を行うとともに、不燃物のセメント原料化、処理が遅れると再利用困難となる“木くず”の受け入れ先、受け入れ可能量の検討を行うとした。(続きは本紙で)