環境省が海洋プラスチックごみ対策として実施していた「漁業者の協力による海底ごみ回収実証業務」の成果がこのほどまとまり、品目別ではプラスチック製の袋、ロープやひも、テープ類、ボトルがいずれの海域でも最多を占めた。また聞き取りでは収集運搬および処分、費用負担などが課題とされていることが分かった。
環境省では令和2年度に、漁業者等がボランティアで回収した海ごみを自治体が処理する場合に、都道府県あたり最大1000万円まで定額補助する制度を創設しており、今回の業務ではより効果的な回収体制を構築するためのマニュアル作りを進めるため、関係者に対して海ごみの状況についてヒアリングおよびアンケート調査を行った。
対象者は加賀市沿岸域、金沢市沿岸域、東京湾、淡路島沿岸域、宗像市沿岸域、八代海および青島沿岸域の自治体と漁業者で、海底ごみの実態調査では、いずれの海域でもプラスチック製のごみが過半数を占めた。ただし最も多い品目は金沢市では木材等(31%)、東京湾ではゴム類(25%)など地域性も出ている。
また回収に当たっての課題は、自治体側では「保管場所への海底ごみ以外の投棄」「保管場所の確保」「回収・分別・運搬・処分費用負担の調整」「漁協、漁業者との調整および協力体制構築」「運搬・処分方法の決定、業者の確保」などを挙げ、漁業者からは「港・陸上での保管場所の確保」「自治体との分別・保管・処分方法についての調整」「処分費用等の負担の調整」などが挙げられた。(続きは本紙で)