環境省は令和4年度予算概算要求で、浄化槽推進関係費に対前年度比11.5%増の96億600万円を計上した。新規拡充項目では、長寿命化計画に基づく浄化槽の改築事業を個人設置型にまで広げたことが大きく、実現すれば補修やブロワ交換に対する1/3助成など、管理者の維持管理負担軽減につながる可能性がある。また令和3年度で終了する二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(省エネ型浄化槽システム導入推進事業)は、新たに太陽光発電・蓄電池等の再エネ設備の導入支援を加えた「浄化槽システムの脱炭素化推進事業」として、令和3年度と同額の18億円を計上した。
概算要求のハード事業に係る新規拡充項目は4項目で、「くみ取り便槽から合併処理浄化槽への転換に伴う便槽撤去及び宅内配管工事に対する支援」は、くみ取り便槽を合併処理浄化槽へ転換する際、便槽の撤去に上限9万円、宅内配管工事費に上限30万円の補助を行う。すでに単独処理浄化槽の合併転換には同様の補助が行われており、これをくみ取り便槽まで拡大する。
「公共浄化槽制度や法定協議会等を通じた効果的な転換促進及び管理適正化・長寿命化の推進」は、公共浄化槽の持続的運営に必要な中長期事業収支シミュレーション、管理の共同化や一括契約・手続き代行等に必要な情報集約・システム構築等、設置者に対する講習会・説明会等の理解促進活動に対して助成を行う。(続きは本紙で)