上下水道事業で広がる使用料免除・減免措置

 新型コロナウィルス感染症の影響が長期化していることを受け、全国で事業者・生活者支援の観点から、上下水道料金を免除、あるいは減免する動きが広まっている。事業主体が自治体のため、首長の判断で実施しやすいことが一因だが、水道事業、下水道事業はもともと一般会計から繰り入れが行われる赤字体質で、安易に実施すると次世代へ大きなツケを残すことになる。

水道事業、下水道事業は現在、人口減少と節水機器の普及による料金収入の減少、高度経済成長期に急速に整備された管路の更新時期の到来、激甚化する災害を踏まえた施設の強靱化という問題に同時に対処することが求められている。
 特に深刻なのは料金収入で、令和元年度の料金収入は水道事業が2兆6983億円、下水道事業が1兆5367億円だが、これだけでは事業運営ができず、独立採算が原則であるにも関わらず一般会計から水道事業は1879億円、下水道事業は1兆6978億円もの繰り入れを行っている。(続きは本紙で)